3Dプリンターを覚えること

はじめて(初めて・始めて)3Dプリンター講座が80回を迎えました

来月で計80回を迎えました。おおたfabでは毎月「はじめて3Dプリンター」実施しています。店長自身が全く初めて3Dプリンターを使えるようになるまでの失敗を踏まえて「挫折しない」カリキュラムを設計しています。特徴とワークショップができるまでを紹介します。

第80回 はじめて(初めて始めて)3Dプリンタ

講座の特徴

①一人1台3Dプリンターを利用する。

②2時間で設計から造形まで終え造形物を持って帰る。大体最初の1時間が設計で残りの時間が造形と質問タイムです。

③レベルの敷居が低い。パソコンに精通していなくてもメールができる程度の方であればだれでも参加して3Dプリントすることができます。これまで小学生を含む1,000名以上の方が受講していますが完成できなかった人はいません。

講座を始めたきっかけ

仲間と一緒に3Dプリンタを開発、生産、販売することになり(ご興味ある方はkindle本ご覧ください)販売担当として使えなくては困るので覚える必要に迫られた。私は図面や3DCADの知識をもっておらず、焦って習得しようと当時やっていたいくつかの講座に参加した(後述)のだが、初心者の私にはなかなかフィットしなかった。

また販売担当として、一般には馴染みのない3Dプリンタというものを知ってもらうためにも、必要なスキルを見極めること、そして市場開拓のためにも初心者向け講座が必要だと考え、自分で講座を企画、検討をはじめた

 

試行錯誤のプロセス

ある機関の講座の場合:3DCADで挫折

3D CAD講座で初心者向け2日間のコース受講。費用は安かったと思うが、少し説明後電車をつくるカリキュラム。全く初めての経験で早々についていけなくなった。電車というテーマは初心者には難しすぎたと思う。推奨の3DCADを買って毎日少しずつでもやろうとトライしたが続かなかった。3DCADもしくはCGを覚えるのは大変だと認識する。一方でCADだけ覚えてカタチにしないのは意義が感じられず、つまらないとも感じた。

別の機関の3Dプリンタ講習:忘れたころに郵送

公的機関で確か無料で有難かった。参加者は私ともう一人男の子だった。123Dという当時流行っていたソフトでカップを設計。その場で3Dプリントしてくれるのかと思ったら、後で郵送とのこと。忘れたころに(1か月後くらい?)作品が送られてきた。それがこちら。小さい!

受け取ったプリント物(直径2センチもない)

受け取ったときは設計したときのことを忘れていた。その場で3Dプリントまでしてくれると嬉しいと感じた。

この時点で3DCAD→その場3Dプリント はカリキュラムとして必須だと認識。

2014年頃から中国では1人1台の集合教育(講座のスライドの1枚)

その後中国での3Dプリンター教育の画像となぜ日本はこのように一人1台でやらないのか?という記事を見てひとり1台を確信。

おおたfabで講習をしてくれる人が現れる:Tinker CADを知る

そんなとき友人がおおたfabで3Dプリンタの講座を開催してくれることになった。3D CADはTinkerCADという比較的易しいソフトを利用。一緒にやってみたが、さまざまなパーツあらかじめ用意されてあり、ソフトインストールも不要。ブラウザ上で設計でき利用料もかからない。何より習得にかかる時間が少ない。初めての人向けの設計ツールに最適と思う。講座でペン立てを作ったが、3Dプリンタでの造形時間がたくさんかかりその場で渡すのは難しかった。熟練者がやれば造形を速くする方法はあるが、あくまでも対象はまったくの初心者。残る問題は造形時間。その場で持って帰れるテーマが必要。

造形テーマの決定:時間内に3Dプリント終了

長さ8センチ程度のネームタグ 好きな文字を入れる

造形時間を少なくするには、造形物を小さくすることだ。3Dプリント時間も少なくなる。多少個々人のオリジナリティも出せる(名前を入れられる)ということでテーマを「ネームタグ」にした。もう一つ小さいマグカップ作成もカリキュラムとしてあるのだが「全く初めて」の人が失敗をしないようにするためには、体験時に少しでもわかりやすくすることを目的に現在はネームタグにしている。

参加者の声

「濃い2時間だった。」

「3Dプリンターってもっと簡単にできるものだと思っていたが、意外に気にすることが多く大変なことがわかった。」

「3D CADができればそのままプリントができると思っていた。形状によっては違うことがわかった」

「教室には3Dプリンターで作ったものがたくさんあってそれを紹介してもらったのは良かった」

などの声をもらっています。

今後も続けています。

2時間ワークショップですべてはできない

基本のカリキュラムが決まってからは、順調に回を重ねています。一度参加することでで大まかに3Dプリントするまでのプロセスは体験できます。それ以上の知識(主にスライサーやフィラメントの設定等)については、ヒトによる差が大きいので、おおたfabメンバー向けの会で随時対応しています。

もうちょっと詳しく知りたい方へ

3Dプリンタをゼロから知りたい方は以前連載していたコラムを紹介します。ご参考までに。

https://news.mynavi.jp/techplus/article/3dprinter-1/

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